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「泣かず飛ばずの商品用マーケティング本」 エスキモーに氷を売る
目次より抜粋====================== ====
このスポールストラ氏の手法が、どれくらい思い切った常識破りか。伝統工芸や古い体質の業種、商品に愛着が強すぎる人ほど、アレルギー反応を起こしてしまうと思います。ここが、手法はあっても実行できないという難点なのです。そういう意味で、いまだに「売れない」という声が消えていないわけですね。 しかし、ご安心。この著者の親切というか、的確というか、社員教育・販売員の教育から述べているところは流石なのです。webでも販促でもそうですが、商品力・宣伝戦略・販売員の力量 、どれも、それぞれ別の事柄で一緒には出来ないのです。「ホームページを作ったのに客が来ない!作り方が悪いんじゃないか!」集客方法に力を入れず、作る事と集客する事を混同してしまっては意味がないです。しかし、巷のノウハウ本は、作るノウハウだけを「売れる」と唄っている物もあり誤解してしまうのです。「売れる物を作ったら、売りに走れ」です。作っただけでは、駄 目と言う事です。 スポールストラ氏の手法は、正直私も抵抗が無いわけではないです。例えば、彼がNBAバスケットの弱小連敗、スター選手もいないチームで、経営も苦しい状況を集客アップさせた手法などは、マイケルジョーダンやシャックという他チームのスター選手の力を利用しました。彼がハワイの冬季リーグをコンサルタントしていた時の例では、野球ゲーム以外にピクニックや食べ飲み放題の力を活用しました。 日本でも球団が駄目になって合併から問題に発展していますが、彼の力が必要だったんじゃないかと思います。伝統があれば、彼の提案は受け入れにくいです。チームに愛着があれば、彼のマーケティングは心苦しいのです。しかし、彼の意見は的を射て、観客の望む形でゲームを提供し、増収につなげています。 メジャーリーグの開幕戦を日本でやったり、レアルマドリードなどのスター軍団のアジアツアーを招聘したり、今の日本スポーツ界も少し変わってきていますが、相撲などは絶対に変わらないでしょう。売って逆転劇にするか、このまま沈んで消えるか?そういう局面 に気付いているなら、彼の本を読むと共に真剣に考えないといけません。 彼の理論は、いたってシンプル。「客が欲しがってる物を売る」つまり(客が欲しい物に自分の商品を変化させる)という事です。例えば、デザインマーカーで今人気が高いのは、「コピック」という商品ですが、以前は「スピードライマーカー」等の商品が主力でした。しかし、もう売れない。ならば、売れている「コピック」の力にあやかってセット売りしたりする方法です。ユーザーに支持されている商品は、売れる理由があります。しかし、ユーザーは割安で色々ついてくるなら多少お気に入りでなくても我慢できるという人もいます。ユーザーはコピックが欲しい。売り手はスピードライマーカーを売りたい。まず売り手は、非常に苦しいですけど自分の商品がユーザーに支持をされていない事を理解し、それをユーザーの望む形へと変革させないといけないと言う事です。「昔は売れた」「良い商品だったんだ」は、関係ないです。流行サイクルがあったとしても、それまでに1つも売れなければ廃盤です。 この本は、改革の為の一冊と言って良いでしょう。 エスキモーに氷を売る エスキモーが氷を買うとき
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