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【広告ヒント集】 ここをわかれば、 間違えない! アド・ヴァイス スタディオン 編集:sui studio 東京都豊島区雑司が谷3-12-3川戸ビル203 〒171-0032 info@image-garage.com |
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「スピードアップ&テクニック」 広告やパンフレットの発注担当者の人は、時間がない中、急な業務が派生してしまったが、製作業者が「このスケジュールでは出来ない」の一点張りで困ったことはありませんか?また、新人のデザイナーさんで「簡単に出来ると思います」と答えたものの、意に反して大変な時間と労力のかかる業務になってしまった経験はありませんか? どちらのケースも予測がしっかり立っていれば、押し問答したり、一人で徹夜するはめになったりしなくてもスムーズで効率的な進行が可能です。逆を返せば、まったく先の予測も見えていないまま軽はずみに締め切り日を設定したり、作業ヴォリュームを増やしていては、混乱した挙げ句失敗というケースもありますので気をつけたいところです。では、その注意点を確認してみましょう。 (1)打合わせの重要性 新規制作依頼にしても修正依頼にしても、打合わせの質で仕上がり精度や時間も決まってしまうといっても過言では無いと思います。「段取りで仕事の8割りは完了」という意見があります。何も片付いていないのとでは大きな差があります。 具体的に何をどう打ち合わせれば良いのか?だらだらと自分が思っていることを喋ればスムーズに伝わるのでしょうか?大切なのは、まず『不明点を無くす』ということ。普通 の人は頭の中で考えていることは表現しないと伝わりません。日本人は、『以心伝心』ができると、丁寧な伝達を怠ってしまっては、結果 は望んだものにならないでしょう。 発注側の不明点とは、「どういった仕上がりになるのか?」受注側の不明点は「一番訴えたい事は何なのか?」「目的がはっきりしているのか?」等の要因になります。このような原点の部分で不明点が起こり、なおかつそのまま後日まで放置していると、失敗してしまうケースも多々あります。これはコミュニケーションの問題ですから伝える側、聞き取る側双方に責任があります。 「このバックは青色にして欲しい」と自分の意見を伝えたつもりになっていても、聞いた側は、プルシアンブルー、コバルトブルー、インディゴブルー、スカイブルーetcと多数ある青の中から一つを選ばなければいけません。自分は淡いブルーを想定していたのに濃紺で仕上がってしまっては手間ばかりかかります。そんな時は、「エーベックスレコードのロゴの色」とか「ジュビロ磐田のユニフォームの色」とか、お互いに同じ絵を浮かべられる具体例を出して伝えるのがコツです。 逆に制作側の話している説明がわからない時は、実際に絵に描いてもらったり、「例えば」の凡例のフレーズをその場で作ってもらったり、写 真集を見せてもらって使用する写真の感じを確認したりと、具体的、視覚的なフィードバックをしてもらうことが安全策です。口答の言葉だけでは、「あけてびっくり」の可能性も含んでいるということです。 そうやって、打合わせで具体的に明確に作るべき方向のコンセンサス(同意)をとって進めれば、進行というのは非常にスムーズにいきます。社長さんの決済が必要なら、社長さんに見せるタイミングをあらかじめ決めておき、伝えるための提案材料を用意してもらうと良いでしょう。また、自分の頭の中では手に終えないこと、考えてみたけど仕上がりが成功するか不安なアイディアは専門スタッフの意見や提案を引き出すことで解決します。中には「機械のようにお客さまの言われたことだけをそのまま反映させました」という受注スタイルの業者もありますので、気をつけなければいけません。 やはり打合わせも経験を積み重ねた人程、スムーズでわかりやすいものになり、その後の進行もはっきりと決まるものですが、経験は時間をかけて積み重ねるしかありません。ですからそのフォローをする意味でも「コンテンツの重要度の順位 付け1番から5番」「今回の一番伝えたいこと」「広告を打つ目的」「具体的なイメージ」などの設問を自分に設定して、その答えを制作業者に伝えるのがよいでしょう。逆に業者側は、制作知識が少ない営業担当なら制作の人間も同行させ、お客さまの投げた問いかけに対し、様々な調理法の提案を具体的に見せる(といっても打合わせで何時間もかけれませんからノートにラフスケッチになります)ことで、双方目指すゴールが共有できます。ゴールが見えれば後は、それに向かってどう走るのが早いかと考えるだけです。 打合わせが重要なのは、共通のゴールを設定できるかどうかということです。お互いにゴールが無い状態や認識のずれがあれば無駄 な作業ばかり繰り返すことになります。 (2)制作作業を始める前に決定すること さて、ここからは専門家の仕事場に入っていきます。新人クリエイターの人は自身の業務の参考に、発注側の人は「どういう作業を行うのか」ということを掴んでください。 制作の方向性に関しては先の打合わせで決定しましたが他にも作業前に決めておくべきことがあります。 『仕上がり予定時間』 予想仕上がり時間のノルマを課さない仕事というのは「いつ仕上がるのかわからない」仕事になってしまうのです。「合間で良いよ」では本当に暇な時しか手掛けられなくなります。『いつまで』と決めることでその前行程なども決定します。印刷物の場合、印刷行程、製版行程、修正行程、制作行程と沢山のパートに分割されています。それぞれの必要な日数がありますから、そこから割り出して前行程を仕上げる日を割り出します。そして目標に向かって進めていきます。 『力を入れる箇所』 全力で頑張ります!という気概は頼もしいですが、マラソンにしてもサッカーの試合にしても、ペース配分無しに力任せに最初から飛ばしたのでは途中でリタイヤしてしまいます。力の入れ具合(配分)を最初に決める必要があります。その際、「どこに時間を割くか?」ということですが表現アイディアの企画に時間を割くのが真っ当な方法です。中には沢山の名簿の名前の確認等の事務作業に最大の時間を取られてしまう仕事もあるでしょうが、極力事務仕事(行う作業が熟考を要しない仕事)は時間をかけないようにしていくのが大切です。 さて、しっかり考えないといけない部分と、事務作業の部分を分割できたなら自分以外でも可能なパートは他人に依託したり流用したりと効率的にすすめなければいけません。しかし「肝心の企画アイディアが出てこなくて何も進行できない」のでは意味がありません。そのためにも常日頃からクリエイターは沢山のアイディアのヒントを脳にインプットしていなければいけません。雑誌や映画、webページだけでなく街のショップのショーウインドやインテリア、オブジェ、風景、感性に触れるものを沢山脳にストックして作品づくりに活用します。記憶力に自信が無いなら、昔はスケッチと言われていましたが今は携帯カメラという便利なものもありますので、これで沢山アイディアヒントを拾いましょう。引き出しの多さ、底辺の広さが、発想の瞬発力と表現の幅としての個人能力の部分になりますが、古いストックばかりではカビが生えてしまいます。発想の瞬発力は、常日頃から感性に感じる表現のヒントをどれだけ脳にストックしているかという事になります。 (3)作業道具 作業分担も表現アイディアも決まれば後は作業のスピードになります。これは道具をいかに上手に使いこなせるかです。スクリプトプログラムやマクロで自動処理できる作業などはコンピュータの自動演算の方が人の手作業よりも圧倒的に早くなります。やはり道具を知り尽くしている必要があります。しかし、今のコンピュータ時代は「包丁1本さらしにまいて」では追い付かなくなりました。手慣れて自由自在に操れる(職人の包丁)のようなソフトでも、昨今はどんどん新バージョンが発売されます。旧バージョンはショートカットキーを使いこなし自分の指先で思うがままに操れたのに新バージョンは勝手が違ってしまい使いづらいので躊躇している。そういった人も多いでしょう。また予算の問題もあるでしょう。道具というのは使い慣れているのが確かに良いです。しかし、新バージョンのソフトと言うのは旧タイプで時間がかかっていた部分を改善させたりしていることも事実です。効率化を考えるなら、使い慣れた道具と同時に自分も新バージョンに馴染めるように進化させないといけない時代になっています。 まとめると (1)具体的な打合わせで発注受注双方の同意があるゴールを決める (2)作業前に仕上がり時間や力配分を決める (3)熟考するアイディア考案作業は日頃のストックがものを言う (4)道具を使いこなせる ということですね。最近の専門学校は(4)の項目に力をいれている部分も見受けられますが、他の能力も大切と言うことです。
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